ちょこらんだららん

2005年から2011年のダイアリー。昔の記事へのコメントありがとうございます。

「海峡の光」読了

辻仁成 「海峡の光」新潮文庫;2000/02
海峡の光 (新潮文庫)
芥川賞を受賞した作品。たぶん、文庫になってすぐに買った覚えがあるんですが、積ん読状態にしていた本でした。
ページを埋めるのは、澄みすぎて張りつめている空気を湛えているような、美しい言葉。
函館の少年刑務所で刑務官として働く「私」と、受刑者として現れた元同級生。かつての同級生を観察する日々が淡々とえがき出されている。一人称の表現で、周りの人物の感情が主人公の感じ方からしか伝わってこないことで、かえって周りの人物の想いを想像させられる。
辻作品は色々読んだが、また一つ毛色の違う作品だと思った。

読書100☆001