ちょこらんだららん

2005年から2011年のダイアリー。昔の記事へのコメントありがとうございます。

「一つ」読めない?

小2の3割「一つ」書けず=ワーストは「支」など−漢字習得度・民間調査
 「ひとつ」という書き取りの問題に「一つ」と正解できた小2は70%にとどまり、「人(つ)」や「入(つ)」などの誤答が見られた。音読みで出題した「一(いち)年生」は98%が正解した。一方、「実り」を「みのり」と答えられなかった小4と、「末は外交官に」の「末」を「すえ」と読めなかった小5がそれぞれ4割に達するなど、中学年以上で訓読みが苦手な傾向も見られた。
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2007050700722

先に、謝ってしまおう。
ごめんなさい。


言い訳もさせてください。
小学校で仕事をしてるときによくぼやいてたんだけど、
「学力が落ちた」っていうなら、「学力がつけられる状態にしてから、学校に入れてくれ」と(笑)
「授業中は自分の席に座っているのですよ」「先生の話や、お友達の発表は最後まで聞くのですよ」「トイレは休み時間に行くのですよ」
こんなことの指導が毎日繰り返し必要なら、授業時数がどんなに確保できていても、学習すべき内容が終わりません。


「一つ」が書けないことについての話し。
そんな数え方を、普段小二の子どもはしてないんだと思う。
ひとつ、ふたつ、みっつ、よっつ、いつつ、むっつ…
この数え方を小学校入学前から知ってた子は、2割程度なんじゃないかと。
算数で、「『いくつですか?』と聞かれたら『○つ』って書くのよ」と教えても、「2つ」は「につ」「3つ」は「さんつ」と読む子は、いっぱいいた(笑)
数え歌遊びを歌おうが、みんなで「ひとーつ、ふたーつ」と数えようが、学校で意図的に指導できることはその程度しかなくて。
休み時間になったとたんに、車でも、鉛筆でも、「1こ」「2こ」で数えやがってくれる人たちに、「一つ」が書けるはずない気がする。
同じように「一日、二日、三日」を「ついたち、ふつか、みっか」と数えることも、難しかった。
でも、これはニュースでの冒頭あいさつであったり、日時を知らせる時の会話であったり、日常耳にする機会も多いので、いずれ身に付いていくと思う。
まぁ、中学生くらいになっても、「はつか」がいつか分からない人もいたりするけどさ。
そういう、日常生活レベルで基礎的なことは、漢字を教える段階以前の問題で、
それを「漢字が読めない」と言われても、ちょっと困ってしまうのです。


それから小四で「実(みの)り」、小五で「末(すえ)は外交官に…」が読めなかったんですか。
じゃ、我々が実生活で最近、「実り」「末」を使ったことを思い出してみましょう。
少なくとも、私は年単位で使ってないです。話し言葉では。
書く機会、読む機会はあっただろうけど。
「末」は「末恐ろしい」ぐらいは、使ったかもね。
カキでも、リンゴでも、みかんでも、私は「なる」と言う。
周りで使われていない言葉は、読める、読めないに関わらず、語彙として獲得できていなくて当然じゃないかと。
周囲の大人達の、言語環境からの影響も、省みられるべきなんじゃないのかなぁ。


それでも、学習指導要領では、学習するべき漢字が決まっている。
「使わないから」「知らないから」、教えなくていいのじゃなくて、
子どもの頃に教わっていたことが、後になって意味が分かったり、使いこなせるようになることもあるじゃない。


だから、去年教わった漢字が読めなかったからって、ガタガタ大騒ぎするものでもないとも思う。